広告やクリエイティブと言われる世界に身を置いて30年以上がたちます。
ふと振り返って思うのは、デザインが必要ない業種や事柄はほとんどこの世の中にはないってこと。
町を歩けば看板や標識、ビルや自動車、これすべてデザインされてますよね。
毎日使う食器や衣類、携帯電話やシャンプーのボトル。
そう、目に入るものはすべてデザインのちからで可視化していると言っても過言じゃない。
なのに、日本におけるデザイナーやクリエイターの社会的地位は
欧米諸国にくらべて著しく低いと感じます。
なぜか?
原因のひとつは「教育」じゃないかと思うんです。
義務教育はもちろん、高校大学でも意図的に選択しない限り学ぶ機会がないのです。
物理的なモノだけでなく、あらゆる物事を生み出す上で
デザインの思考・思想・技術は欠かせないものなんです。
「美術(デザイン)なんて勉強しても将来食っていけない」【画家とデザインの混同】
「お金を稼ぐことは、汚いことのような世論風潮」【もったいない思想=つつましい生活至上主義】
この考え方、世の中のエビデンスのない風潮や同調圧力、これらが
いま日本に一番必要な「デザイン思考」と「お金との上手な付き合い方」を阻む要因だと思うのです。
ここまで書きましたが、この考え方が間違ってないと確信させてもらったのが
博報堂出身でコピーライターの牧野圭太さんの著書「広告がなくなる日」の一説です。
義務教育の段階で「理系・文系・デザイン系」というくくりになればいいと考えます。
デザインはより良い未来を模索し実現する力です。
日本にもっと多くのデザイン教育があれば、より良い未来をつくる人が増え、
結果として社会は「より良い方向へ」と向かっていくのだろうと思うのです。
いつか「広告」というものが「デザイン系」という
優しいコミュニケーションに進化していく未来を期待して。
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