先日、熊本市現代美術館で開催中の「やなせたかし展」へ足を運びました。
平日の大雨ということもあってか、美術館はとても静か。
おかげで、じっくりと作品たちと向き合うことができる贅沢な時間となりました。
やなせたかしさんと言えば、やはり「アンパンマン」が最も知られていますよね。
でも今回の展示を観て、彼がそれだけにとどまらない“マルチクリエイター”であることを改めて実感しました。
漫画家としてだけでなく、詩人、絵本作家、イラストレーター、デザイナー、編集者……実に多方面で活躍されていたんです。
あの有名な「三越」の筆記体ロゴ「mitsukoshi」も、実はやなせさんの手によるもの。
ジャンルを超えて“人を喜ばせること”を人生の喜びとし、作品を通して多くの人の心を動かし続けた方だったんですね。
展示室には、親子連れの姿もちらほら。
子どもたちは「アンパンマン!アンパンマン!」と元気いっぱい。やっぱりアンパンマンの人気は絶大です。
でも、よくよく観るとこの展示、むしろ大人にとってこそ深く刺さる内容なのでは……?と思わされました。
やなせさんが表紙絵を担当していた雑誌『詩とメルヘン』の原画、漫画の一コマ一コマ、手書きの文字…
そのどれもが洗練されていて、センスに溢れています。
柔らかくて優しい線の中に、時に鋭い問いや想いが込められていて、心をぎゅっと掴まれました。
展示を進むうちに、いつの間にか胸がじんわり温かくなって、気づけば涙がこぼれそうに。
『やさしいライオン』という絵本の原画にもぐっときましたし、
やっぱり一番泣かせにきてるのは「アンパンマンマーチ」ですね。
♪なんのために生まれて なにをして生きるのか♪
この歌詞に、やなせたかしさんの人生そのものが詰まっている気がしました。
戦争体験や、家族との別れ、数え切れない出会いと別れ――そうした人生の中で、彼が問い続けた「生きる意味」こそが、
アンパンマンというキャラクターに宿っているんだと思います。
本当に困っている人に手を差し伸べる愛と勇気。
子どもたちだけでなく、私たち大人にとっても、深く心に響くメッセージがそこにはあります。
ところで、みなさんNHKの連続テレビ小説『あんぱん』はご覧になっていますか?
私はこれまでスルーしていたのですが、やなせたかし展を観てから俄然興味が湧いてきました。
このドラマは、やなせたかしさんと奥様・暢(のぶ)さんをモデルにした物語で、中園ミホさんが脚本を手がけているオリジナル作品だそう。
厳密には伝記ではないようですが、
「“逆転しない正義” 『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語」
というサブタイトルを見ただけでワクワクさせられます。
展示を観た今だからこそ、きっとより深くこのドラマの世界にも入り込めそう。
これを機に久しぶりに朝ドラを観てみようかな、なんて思っています。
林 みさ
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